初めてでもわかる『派遣と請負』の違い|働き方選びのポイントまとめ
2025.11.27

初めてでもわかる『派遣と請負』の違い|働き方選びのポイントまとめ

「派遣」と「請負」という言葉はよく耳にしますが、実際にどう違うのかを正しく説明できる人は少ないかもしれません。
働く人にとっては「契約の安定性」「仕事の指示を誰から受けるのか」など、安心して働くために欠かせないポイントが隠れています。

この記事では、派遣と請負の基本的な仕組みからメリット・デメリット、注意点までをわかりやすく整理します。違いを理解することで、自分に合った働き方を考えるヒントになるはずです。

1. 派遣と請負の基本的な違い

「派遣」と「請負」はよく混同されますが、実は仕組みが大きく違います。
押さえるべきポイントは、誰と雇用契約を結ぶか、そして誰から指示を受けるかです。

1-1. 派遣の場合

·       派遣会社(派遣元)と雇用契約を結ぶ

·       実際に働くのは派遣先企業

·       業務の指示は派遣先企業の社員から受ける
👉 「雇用」と「指示」が分かれるのが派遣の特徴です。

1-2. 請負の場合

·       請負会社と雇用契約を結ぶ

·       指示を出すのも請負会社の管理者

·       会社が「仕事を完成させる責任」を持つ
👉 「雇用」も「指示」も同じ会社にまとまっているのが請負です。

1-3. イメージしやすい例

工場の製造ラインを想像してみましょう。

·       派遣:派遣先の担当者が「この部品を組み立ててください」と直接指示。

·       請負:請負会社が「この製品を完成させます」と契約し、現場の管理者が社員に指示を出す。

1-4. まとめ

·       派遣:雇用は派遣会社、指示は派遣先企業

·       請負:雇用も指示も請負会社が担当
👉 違いを知っておくと、後で出てくるメリット・デメリットや注意点も整理しやすくなります。

2. 派遣という働き方のしくみと特徴

派遣は「派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で働く」しくみです。
正社員のように期限のない雇用ではなく、一定期間ごとの契約で成り立っています。

2-1. 契約のしくみ

·       契約は1~3か月単位が多く、更新を重ねながら働くケースが一般的です。

·       契約の更新は「派遣元・派遣先・派遣社員」の三者の合意が必要。

·       派遣社員が「続けたい」と思っても、派遣先の業務量や人員計画によっては更新できない場合があります。

👉 この点は「自分だけの希望」で延長できないのが特徴です。

2-2. 3年ルール

2015年の労働者派遣法改正で導入されたルールです。

·       個人単位:同じ部署で働けるのは最長3年まで

·       部署単位:同じポジションに派遣社員を受け入れるのも最長3年まで

·       「抵触日」と呼ばれる起算日から3年を超えると、原則として契約を続けられません

👉 更新を重ねているうちに、気づいたら上限が近づいていた…というケースも少なくありません。

2-3. 派遣ならではの特徴

·       柔軟に働ける:フルタイム・短時間・短期など、自分の生活に合わせやすい

·       未経験から挑戦しやすい:事務・軽作業・販売など、経験を問わない仕事も多い

·       サポートがある:派遣会社によっては研修やキャリア相談、福利厚生(寮やジムなど)が利用できる

具体例

例えば「子育てが落ち着いたので、まずは短時間勤務から復帰したい」という人なら、週4日・1日6時間勤務の派遣を選ぶことも可能です。
「事務未経験だけど挑戦してみたい」という人でも、研修やOJTを用意している派遣会社を通せばスタートしやすくなります。

まとめ

派遣は 「契約ごとに柔軟に働ける」 のが最大の特徴です。
安定性には限界がありますが、生活スタイルに合わせたい人や、まず経験を積みたい人に向いた働き方です。

3. 請負という働き方のしくみと特徴

請負は、会社同士が「仕事を完成させること」を契約で取り決める仕組みです。
労働者は請負会社と雇用契約を結び、業務の指示も請負会社の管理者から受けます。派遣と違い、成果物や業務の完成に対して責任を持つ点が大きな特徴です。

契約のしくみ

·       請負会社と依頼企業が「この仕事を完成させる」という契約を結ぶ

·       労働者は請負会社と雇用契約を結び、指示も請負会社から受ける

·       成果物や業務の完成に責任を持つのは請負会社

👉 請負は「労働時間」ではなく「仕事の完成」に対して契約が成立します。

請負ならではの特徴

·       成果物に責任を持つ:途中経過よりも、最終的に完成したものの品質や納期が重視される

·       指示がシンプル:誰の指示に従えばよいか迷わず、落ち着いて働ける

·       専門性を活かせる:IT開発・建設工事・製造ラインの一部など、特定のスキルを持つ人材が集まるケースが多い

·       会社ごとの差が大きい:労働時間の管理や待遇は請負会社ごとに異なるため、環境に差が出やすい

具体例

·       IT開発:システム全体を納品する契約を請け負い、プロジェクトチームとして作業を進める

·       建設工事:建物の一部工事を丸ごと任され、完成までの責任を持つ

·       製造ライン:部品組立工程を一括で請け負い、請負会社の管理者がラインを運営する

まとめ

請負は 「雇用も指示も請負会社が担い、成果物に責任を持つ」 仕組みです。
責任や負担は大きいですが、その分 専門性や裁量を発揮して働きたい人に向いている働き方です。

4. 派遣と請負のメリット・デメリット比較

ここまでで派遣と請負の仕組みを整理しました。では、実際に働く人にとってどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。ここでは、一般的によく言われる特徴をまとめます。

派遣のメリット

·       柔軟な働き方ができる:期間・時間を選びやすい

·       未経験でも挑戦しやすい:研修やOJTがある職種も多い

·       派遣会社のサポートがある:キャリア相談や福利厚生が利用できる場合もある

👉 例えば「子育てが落ち着いたから短時間勤務で復帰したい」という人には、週3日・1日6時間といった派遣の働き方が向いています。

派遣のデメリット

·       契約更新がなければ続けられない

·       同じ部署では最長3年まで(3年ルール)

·       昇給・昇進のチャンスは限られる

請負のメリット

·       裁量が大きい:仕事の完成を任されるのでやりがいを感じやすい

·       専門性を活かせる:IT、建設、製造など専門スキルを発揮できる業務が多い

·       指示がシンプル:請負会社からの指示だけなので迷わず働ける

👉 例えば「プログラマーとしてチームでシステムを完成させる」「建設工事の一部分を丸ごと任される」など、専門力を活かせる場面が多いのが請負です。

請負のデメリット

·       労働時間の管理や待遇は会社ごとに差がある

·       請負会社の経営状況に左右されやすい

·       派遣のように法律で保護されている部分が少ない場合がある

こんな人に向いています

·       派遣に向いている人:柔軟に働きたい、未経験から挑戦したい、サポートを受けながらキャリアを考えたい

·       請負に向いている人:専門性を活かしたい、大きな裁量を持って働きたい、成果にやりがいを感じたい

まとめ

·       派遣=柔軟・未経験歓迎・サポートあり。ただし安定性には限界。

·       請負=裁量や専門性を発揮できる。ただし会社ごとに環境の差が大きい。
👉 自分が「働き方の自由」を重視するか、「専門性・成果」を重視するかで選び方が変わります。

5. 偽装請負とは?注意すべき違法ケース

「請負」と「派遣」は法律上の区分がはっきり決まっていますが、実際の現場ではその線引きがあいまいになることがあります。中でも問題になるのが 「偽装請負」。これは契約書上は請負になっていても、実態は派遣と同じように働かされているケースを指します。

偽装請負の典型例

·       請負契約なのに、派遣先企業の社員が直接業務を指示している

·       勤務時間やシフトが派遣先の都合で決められている

·       成果物ではなく、単に労働時間を提供している状態になっている

👉 こうした場合、形式は請負でも実態は派遣となり、労働者派遣法違反に当たります。

よくあるトラブル事例

·       「契約は請負と言われたのに、実際は派遣先の上司から毎日指示を受けていた」

·       「シフトや残業の有無を派遣先で決められ、請負会社の責任者は名ばかりだった」

·       「気づいたら偽装請負で働いていて、労働条件の保証が不十分だった」

このようなケースでは、働く人が不利益を被りやすく、トラブルにつながります。

法的な対応

偽装請負は違法とされ、まずは行政指導の対象となります。是正が行われない場合や悪質な場合には、罰則や行政処分を受けることもあります。

まとめ

偽装請負は、「請負の形をとりながら実態は派遣」 という違法な状態です。
契約書の文言よりも、「誰から指示を受けているのか」「成果物に責任を持っているのか」 が判断の基準になります。働く前にしっかり確認して、疑問があれば早めに派遣会社や専門機関に相談しましょう。

6. 派遣・請負で働くときに注意すること

派遣と請負は仕組みが違うため、働く人が気をつけるポイントも変わってきます。契約内容や指示の出し方をしっかり確認しておくことで、不安なく安心して働けます。

・契約書を確認する

·       契約の相手は誰か(派遣会社か請負会社か)

·       契約期間はいつからいつまでか

·       業務内容が具体的に書かれているか

👉 「勤務先:○○社、業務内容:営業事務、期間:4月1日~6月30日」といった形で明記されているか要チェックです。

・指示を出す相手を確認する

·       派遣の場合 → 派遣先企業の社員から指示を受ける

·       請負の場合 → 請負会社の管理者から指示を受ける

👉 契約内容と実態が一致しているかを確認しましょう。

・労働条件を確認する

  • 派遣なら → 社会保険や福利厚生の有無を確認
  • 請負なら → 労働時間の管理や残業の取り扱いを確認
  • 不安がある場合は必ず派遣会社・請負会社に相談する

見分け方のポイント

「これは派遣?請負?」と迷ったときは、次の質問で考えると分かりやすいです。

·       誰から仕事の指示を受けているか?

·       成果物に責任を持つのは誰か?

·       勤務時間やシフトを決めているのは誰か?

👉 指示や管理を派遣先が行っているなら「派遣」、請負会社が行っているなら「請負」と考えられます。

まとめ

派遣でも請負でも大切なのは、「契約書に書いてあること」と「実際の働き方」が一致しているかを確認すること
特に「誰から指示を受けているか」と「労働条件」が見分けるポイントです。少しでも違和感があれば、会社に相談することが安心につながります。

7. おわりに

派遣と請負は似た言葉ですが、仕組みはまったく異なります。

·       派遣:雇用は派遣会社、指示は派遣先企業

·       請負:雇用も指示も請負会社

どちらにもメリット・デメリットがあり、自分のライフスタイルやキャリアの考え方によって選び方が変わります。大切なのは「契約内容を理解し、実態と照らし合わせること」。そうすれば、安心して働くことができます。

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