派遣社員の雇用期間はいつまで?3年ルールや契約更新の注意点をわかりやすく解説
2025.09.25

派遣社員の雇用期間はいつまで?3年ルールや契約更新の注意点をわかりやすく解説

派遣社員として働くときに気になるのが「雇用期間はいつまで?」という点です。

契約更新の仕組みや、法律で定められた3年ルールを正しく理解していないと、不安を感じる方も多いでしょう。

本記事では派遣社員の雇用期間について、つまずきやすいポイントをわかりやすく解説します。

1. 派遣の雇用期間を決める仕組み

派遣社員の雇用は、正社員のように「期限なし」ではなく、期間を区切った契約で成り立っています。

そのため「いつまで働けるのか?」は、契約の仕組みを理解することでわかります。

雇用期間を決めるのは、主に次の3つの契約です。

1-1.派遣元と派遣社員の契約とは?

  • 派遣会社と派遣社員の間で「雇用契約」を結びます。
  • 契約書には、勤務先・期間・仕事内容・勤務時間などが細かく記載されます。
  • たとえば「2025年4月1日〜6月30日まで、A社の営業事務」といった形です。

1-2.派遣元と派遣先企業の契約とは?

  • 派遣会社と派遣先企業も「派遣契約」を結びます。
  • ここで定められた期間や条件に基づいて、派遣社員の就業がスタートします。
  • 派遣先の都合(繁忙期や欠員対応など)によって、期間が短くなることもあります。

1-3. 契約更新の有無

  • 契約終了が近づくと、派遣先・派遣元・派遣社員の三者で「更新するかどうか」を確認します。
  • 派遣社員が「続けたい」と思っても、派遣先の業務量や人員計画によっては更新できない場合があります。
  • 一般的に1か月・2か月・3か月といった短期更新が多く、状況に応じて更新を重ねていきます。

派遣社員の雇用期間は派遣元・派遣先企業・派遣社員の三者の合意で決まります。

「自分だけの希望」で延長できるものではなく、職場の状況や派遣会社の判断も大きく関わるのが特徴です。

2. 派遣の3年ルールとは?

派遣社員の雇用期間で、もっともよく耳にするのが「3年ルール」です。

これは、同じ部署で働けるのは最長3年までと定めた仕組みのこと。

2015年の労働者派遣法の改正で導入され、現在すべての派遣社員に適用されています。

3年ルールには、次の2つの考え方があります。

2-1. 個人単位のルール

  • 1人の派遣社員が同じ部署で働けるのは最長3年。
  • 例:Aさんが営業課で勤務 → 3年が過ぎれば、その部署では契約を続けられません。

2-2. 事業所単位のルール

  • 部署そのものにも3年の制限があります。
  • 例:「営業課のこのポジション」に派遣を受け入れるのは3年まで。
  • 派遣社員を入れ替えても、同じ席に何年も配置することはできません。

抵触日とは?

3年ルールのカウントが始まる日を「抵触日」と呼びます。

この日を基準に3年後が上限となり、それ以降は原則として契約を続けることができません。

ポイントは、人にもポジションにも「3年」という制限があること。

派遣社員にとっては「どの部署で、いつから働き始めたか」がとても重要です。

更新を重ねて長く働いていると、知らないうちに上限に近づいていた…ということも少なくありません。

3. どんなケースで3年ルールが適用される?

3年ルールは「同じ派遣先の同じ部署」で働く場合に適用されます。

つまり「どこで」「どんな仕事をしているか」によって、カウントの仕方が変わります。

3-1. 同じ部署で働き続ける場合は?

  • 派遣社員が同じ部署で勤務を続けると、最長3年で上限に達します。
  • 3年を過ぎると、原則として契約を更新できません。
  • 例:Aさんが「総務課」に配属され、3年間勤務 → それ以上は継続不可。

3-2. 部署を異動した場合は?

  • 新しい部署に異動したら、そこで再び3年のカウントが始まります。
  • ただし「ルール逃れのための名ばかり異動」は認められません。
  • 厚労省も「実質的に同じ業務なら異動とは見なされない」としています。

3-3. クーリング期間を挟んだ場合は?

  • 3か月と1日以上の空白期間を置けば、再び同じ部署に派遣されることが可能です。
  • 例:2022年3月末で契約終了 → 7月2日以降に再び同じ部署に派遣される。
  • ただし短期間だけ外して戻すような運用はNGです。

このように、3年ルールの適用は「同じ部署でいつから働いているか」で決まります。

部署異動やクーリング期間でリセットされる場合もありますが、制度の趣旨に反する形で利用することはできません。

派遣社員にとっては「自分がどの部署で、いつから働いているか」を常に意識しておくことが大切です。

4. 3年ルールには例外がある

派遣社員は原則「同じ部署で3年まで」ですが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

法律では、働く人の状況や仕事の性質に応じて例外が認められています。

無期雇用派遣の場合

  • 派遣元(派遣会社)と無期契約を結んでいる社員は対象外です。
  • 契約期間に制限がないため、同じ部署で長く働くことも可能です。
  • 安定性が高い反面、配属先を自分で選びにくいという特徴もあります。

60歳以上の派遣社員

  • 高齢者の就業機会を確保するため、60歳以上には3年ルールが適用されません。
  • 体力やライフスタイルに合わせた働き方を柔軟に選ぶことができます。

プロジェクト型・期限付きの業務

  • 研究開発や大型建設工事など、明確に期限が決められている仕事。
  • プロジェクト終了までの派遣が認められるため、3年以上になる場合もあります。

産休・育休・介護休業の代替要員

  • 社員が一時的に休む間、その代わりに働く派遣社員。
  • この場合は「必要な期間」が優先され、3年ルールは適用されません。

日数が限定された業務

  • 「週2日以内」「月10日以下」といった勤務。
  • 長期間続けても、3年ルールの対象外とされています。

まとめると、3年ルールには働き方を制限しないための例外があります。

「自分がこの例外に当てはまるかどうか」を知っておくことで、将来の働き方を考えるヒントになります。

5. よくある誤解と注意点

3年ルールは「同じ部署で最長3年まで」というシンプルな仕組みですが、実際には多くの誤解が生まれています。ここでは代表的な勘違いと、その正しい理解を整理します。

5-1. 「部署を変えれば無限に働ける」?

  • 一見、部署を変えれば新しく3年が始まるように思えます。
  • しかし事業所単位の制限もあるため、名ばかり異動で働き続けることは不可。
  • 厚労省も「実質的に同じ業務なら異動とは見なさない」と明確にしています。

5-2. 「契約更新をすれば延長できる」?

  • 契約を更新しても、3年という上限は変わりません。
  • たとえ派遣社員と派遣先が合意していても、法律で制限されている以上、更新だけでは延長はできないのです。

5-3. 「3年を過ぎたら即クビになる」?

  • 3年に達したからといって、突然仕事がなくなるわけではありません。
  • 派遣先には雇用安定措置が義務づけられており、次の働き方を提案する仕組みがあります。
    • 直接雇用を打診する
    • 派遣元で無期雇用に切り替える
    • 新しい派遣先を紹介する

誤解をなくすことが安心につながります。

3年ルールは「働けなくするための仕組み」ではなく、派遣社員が次のキャリアを考えるきっかけをつくる仕組みだと理解することが大切です。

6. 派遣社員が注意すべきポイント

3年ルールは派遣社員にとって避けられない仕組みです。

「気がついたらもう3年が近い…」とならないように、日ごろから意識しておくことが大切です。

6-1. 契約期間を把握する

  • 契約書に記載された「開始日」と「終了日」を必ず確認しましょう。
  • その日から3年を数えると、ルールの上限が見えてきます。
  • 特に更新を重ねていると「いつから働いていたか」を忘れがちなので注意が必要です。

6-2. 3年が近づいたら早めに相談する

  • 派遣先や派遣会社に「この先どうなるのか」を確認しましょう。
  • 直接雇用への切り替えや、別の部署・別の派遣先を紹介してもらえるケースもあります。
  • 自分の希望を伝えることで、選択肢を広げることができます。

6-3. 雇用安定措置を理解する

  • 3年を迎えたとき、派遣先は雇用安定措置を取る義務があります。
    • 正社員や契約社員として直接雇用を打診する
    • 派遣元で無期雇用に転換する
    • 新しい派遣先を紹介する
  • 制度を知らないと「もう働けない」と不安になりますが、実際には次の働き方を提案してもらえる仕組みです。

6-4. 5年ルールとの違いを知る

  • 3年ルールは「派遣先での上限」。
  • 一方、5年ルールは「同じ派遣元で有期契約を5年続けると無期雇用に転換できる制度」。
  • 名前が似ているので混同しやすいですが、まったく別の制度です。

まとめると、派遣社員が意識すべきなのは 「自分の契約がいつ終わるのか」 と 「次にどう働きたいか」。

制度を知って動けば、3年ルールは不安の種ではなく、キャリアを考えるチャンスになります。

7. まとめ|派遣の雇用期間を正しく理解して安心して働こう

派遣社員の雇用期間は、契約更新を重ねて長く働ける場合もあれば、3年ルールの制限により次の働き方を考えるタイミングが来る場合もあります。

大切なのは「制度を知ったうえで、自分に合ったキャリアを選ぶこと」。

契約期間を意識しながら、派遣先や派遣会社と早めに相談しておけば、不安なく次のステップへ進むことができます。

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